トリオ・ペル・ウノ
「3人のダンサー、3つのパーカッション、
影と光のあいだ、
音楽を見て、ダンスを聴くことへの誘いのように。」
振付:セバスチャン・ベルトー
振付助手・稽古指導:ステファニー・ロンベール
ダンサー:アマンディーヌ・アルビッソン、オドリック・ベザール、ヴァンサン・シャイエ
音楽:ネボイサ・ヨバン・ズィヴコヴィック
衣装:クサヴィエ・ロンス、ジャン=リュック・ブーシェ
照明:ミシェル・スシンニ
ステージマネージャー:イヴァン・ウーグスト
2013年6月7日、オペラ・ガルニエにて初演
「楽譜の3つの楽章の進みかたと、3つのパーカッションによる演奏の力強さを前にして、自分と同世代のダンサー3人を衝突させたいと思いました。彼らは、クラシックなエレガンス、洗練さを身につけると同時に、コンテンポラリーな力とともに踊るダンサーです。作業の過程で、共通する語法の探求、演奏家とダンサーの感覚的な対話、そしてまた、音楽の深さを追求することが、振付の構成を形作りました。その構成とは、バランシンが非常に素晴らしく述べていたように、“音楽を見て、ダンスを聴く”ことへの誘いとして、私が思い描いているものです。」
-「《トリオ・ペル・ウノ》は、ネボイサ・ヨバン・エスコバルの3人のパーカッション奏者の作品に振り付けた、ダンサーのセバスチャン・ベルトーの作品である。ベルトーは過去に、その振付の才能を見せる再演の機会がすでに何度もあった。今回、彼はアスレチックでもありポエティックでもある、素晴らしいパ・ド・トロワを作り上げた。力強さと、絶え間ないアイデアの刷新を展開しつつ、作品は、3人のダンサーのアーティスティックな可能性を最大限まで見せた。踊ったのは、プルミエ・ダンスールのオドリック・ベザールとヴァンサン・シャイエ、そして美しいバレリーナのアマンディーヌ・アルビッソン。ベザールとシャイエは背が高く、幅広く力強い、しかし重さなど感じられない踊りを、どこまでも伸びていく腕と脚、完璧な身体で見せた。演奏者が精緻なリズムと音の響きをその場で演奏し、それにアマンディーヌ・アルビッソンの優雅さと滑らかさを対比させ、また反映させるという、特別なポテンシャルをどう使うべきか、ベルトーは知っているのだ。」
《Trio per Uno》に関して ジェラール・マノニによる「アルタムジカ」評、2013年6月。
-「《トリオ・ペル・ウノ》で、セバスチャン・ベルトーは、2年前の「ダンサー/振付家」のソワレの時のように、ネボイサ・ヨバン・エスコバルの音楽にのせた、“ネオ・フォーサイス”ともいうべき流れの動きの連鎖を発展させた。オドリック・ベザールとヴァンサン・シャイエがほぼ半裸で踊るデュオは、彼らのダンスの爆発するような性質を見せていた。まるで、彼らが交互にマタドールとその犠牲者を演じるような、闘牛の試合のようだった。第2楽章は音楽的により静謐で、アマンディーヌ・アルビッソンが舞台に現れる。彼女は、ぐったり倒れこんだ男性ダンサーの周りを、蛇のようにピルエットしながら歩き回る。セバスチャン・ベルトーは、生まれながらの音楽性の持ち主だ。彼は、ダンサーたちを引き立てるすべを知っている。舞台空間のコントロールについても確かである。床に映される真四角や長方形の光は、その空間を再構成していた。しかし彼の作品は、非の打ち所なく上手くいっていたというわけではない」
《Trio per Uno》に関して 「バレトノート」評、2013年6月。
-「当夜最も待ち望まれ、そして成功したひとときだったのは、ズィヴコヴィックの音楽による、セバスチャン・ベルトーの新作だ。3つの楽章、3グループの楽器群、3人の演奏家に3人のダンサー。最初の楽章は攻撃的で、ボクサーパンツ姿のベザールとシャイエ(観客の中には耐えられなかった者もいたが)は戦っているようだった。最初、彼らは互いの動きに応えるように踊り、それから照明で出来た四角形の外側に出て、互いから独立して踊る。最後は、鏡のように、和解した者同士のように、お互いを見て終わる。第2楽章では魅力溢れるアマンディーヌ・アルビッソンが登場。より軽く高音の音楽にのせて、粗っぽい世界に柔らかさをもたらした。軌跡を描く最初のソロに続いて、彼女はそれぞれの男性ダンサーと交互に踊る。ベルトーによると、ダンサーのチョイスは、彼らが持つ、古典のダンス語法とコンテンポラリーな力とが、相互に補完している性質のためとのこと。これより良い配役を選ぶことなど出来なかっただろう。動きのすべてが優雅だ。作品は、シロフォンなどの楽器によるとても美しい音楽で終わった。振付の世界に完璧に合致している音楽だった。」
《Trio per Uno》に関して 「ラ・ロッジュ・デメリック」評、2013年6月